はじめに
2024年に初めて繁殖に成功したデプレッサイワトカゲ(E.depressa)ですが、2025年も無事に繁殖を成功させることができましたので、その記録です。
2024年のクーリングや、2025年のクーリング明けの様子についてはコチラをご参照ください。
2024年の繁殖記録では、長年の目標であった初回の繁殖成功について詳しく記録しましたが、今回は2024年との比較も交え、初産がラッキーではなかったことを証明できたと思いますので、ご参考になれば幸いです。
目次
2025年の繁殖結果の概要
出産日時: 2025年06月02日 06:07 - 06:10 頃
産子数: 1匹(うち正常個体1匹、06/12スラッグ1個排出)
ベビーの体重: 3.5g
交尾から出産までの期間: 94日
- 2024年:91日
- 2025年:94日
2024年CBは91日間だったことからも、このトカゲは交尾から概ね90日程度での出産と計算を立てていくつもりです。
2024年CBは 4.5g だったので、2025年CBは少し小さめでした。
室内平均気温:22℃
2024年と2025年の繁殖データ比較
項目 | 2024年 | 2025年 | 備考 |
クーリング期間 | 64日 | 70日 | 2025年は気温低下のため1週延長 |
交尾回数 | 5回 | 2回 | 交尾回数が少ない |
交尾期間 | 8日間 | 10日間 | |
妊娠期間 | 91日 | 94日 | |
産卵数 | 1匹+2スラッグ | 1匹+1スラッグ | |
ベビー体重 | 4.5g | 3.5g |
2025年も同じ感じで再現が出来て、2024年が単なるラッキーではなかったことが証明出来ました。
1匹だったのは残念ではありますが、交尾回数も少なかったため、ある程度は想定できたことではありました。
交尾から出産まで
出産までのメス個体の体重推移
平時の体重が40gほどのメス個体の交尾以降の体重の推移については以下のようになっていました。
4月、5月の体重が思ったほど増加しなかったため、この点からもいても1匹ではないか…という想像が出来ていました。
来年以降も、このあたりの体重の乗り方は見ていきたいところです。
日付 | 体重(g) | 備考 |
2025/03/15 | 45.5 | 交尾後 |
2025/04/26 | 47.5 | 最大体重 |
2025/05/18 | 46.5 | |
2025/06/01 | 46.5 | 出産前日 |
2025/06/02(出産後) | 42.5 | 出産後 |
行動観察
よく言われている(自分も言っている)、今回は肩で呼吸をするところを撮影できていませんが、ホットスポット付近でのメスの行動をよく見ておくと、立ち上がったような姿勢が多くなることが分かります。
頭から産まれてくることからも、体内で転がしてるのかな…?という想像をしています。
2025年06月01日、出産前日のメスの状態
たまたまですが、出産前日に状態を確認していました。
前肢の後ろから尻尾の付け根あたりまでのカーブがオス個体より大きく、身重な感じが伝わります。
メスの腹部のオスに比べて大きく張り出していることが分かるかと思います。
出産の様子
今回はアングルが悪く、綺麗な出産の瞬間を収めてはいませんが、それでも出産する瞬間はこんなものだということが分かるかと思います。
見やすいのは2024年なので、コチラから参照してください。
今回は見にくいところで産まれて、胎盤の吸収も確認できませんでした。
産んだ当人であるメスはさっさと隠れていますが、ちょろちょろとオスがベビーを舐めています。
単に湿り気があったから、ということが理由だと思いますが、親心があったと想像するとまた一層このトカゲたちを好きになれますね。
(アルマジロトカゲは産んだ子供にすらビビったりしますので)
危害を加える様子もなく、実はしっかりと子として認識しているんじゃないかなあと…。
スラッグの排出について
出産後も体型的にはまだ入っているかも?と見守っていましたが、スラッグとして出てきたのは10日後でした。
悲しいかな、崩れてしまっていることもなく、すごく綺麗な状態で排出し、すぐさまメスが食べてしまいました。
2024年もそうですが、排出後すぐに食べてしまう傾向があります。
何も起きていない、と思っても床材やコルクに液体を引きずった跡があったりしますので、出産が近づいた、あるいはしばらく経過した際に子供がいない場合は形跡をチェックするべきです。
ベビーの記録
初給餌
前述の通り今回は胎盤吸収も確認できなかったことと、小さめで産まれたことで少し心配していましたが、5日後に確認が出来ました。
- 2025年06月07日
- 使用した餌:レオパドライ(カルシウム、レプタイルサプリメントなし)
人工餌を使用していますが、ベビーは粉末を気にして食べないことがあるので、塗さないで与えるほうが良いです。
2024CBは産まれてすぐに隔離、2025CBは親個体と1か月ほど同居飼育しています。
親子の同居でどのような行動の変化があるかを見たかったので同居させていますが、子は母個体と一緒の場所にいることが多いですね。
今のところ、子に危害を加えるような行動はありません。
今後の課題と展望
今年の反省点
- 2025年も2024年同様に1匹の出産となりました
スラッグではなく、正常な子供として生むにはどうするか、という点を考える必要があります - 親子同居飼育についてはそれほどメリットがないと感じています
親の給餌タイミングと子の給餌タイミングをずらしにくいというところと、子の給餌頻度に合わせると親が余分に食べてしまう
ピンセットから餌を取る個体であれば良いですが、人間を敏感に察知する個体であればあるほど、このあたりの制御がしにくいです
また、親が排斥し始めるより前に離すタイミングを見計らう必要があるのも手間でしょう
来年に向けて
- 普段は人工飼料をメインに食べているので、クーリング前にコオロギ等を与えてみて、栄養価を変更してみる
- クーリング期間は70日ぐらいが良さそうだが、その年の気温の変動で随時調整して良い
まとめ
2年連続での繁殖成功により、デプレッサイワトカゲの繁殖パターンがより明確になってきました。
引き続き、健康な親個体の維持と、安定した繁殖を目指していきたいと思います。
2024年CBはおそらくオスではないか、と思っているので、2025年のCBの雌雄がどうなのか、第二世代を得ていくにはどうしていくか、来年以降の繁殖も引き続き考えたことを実践していきます。