トゲトゲしっぽの飼育・繁殖記

我が家のトカゲたちの記録を残しています。
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デプレッサイワトカゲの2025年のクーリング(冬眠)と経過

最終更新日 : 2025-04-20

はじめに

2024年末から2025年にかけてのクーリング(冬眠)の結果とその後の交尾までの経過です。
計画に関してはコチラをご参照ください。
デプレッサイワトカゲのほうが新たな発見があったのでこちらを先に書きました。
今年も無事にデプレッサイワトカゲの繁殖に向けてスタートが切れました。


目次


実施期間

期間としては 70 日間となりました。

予定では 2024/12/01(日) - 2025/02/01(土) の予定でしたが、寒波が訪れる、とのことで、20245/02/09(日) 午前中まで延長としました。

実際に以下のグラフを参照してもらえると分かりますが、最終週はグッと気温が下がっていることが分かるかと思います。


クーリング(冬眠)中の気温と湿度の経過

     2024 - 2025年の気温、湿度の推移

70日間の平均気温は14.13℃、平均湿度は38.66%でした。
最低気温は 2025年02月06日 早朝 9.0℃となっています。
前年 2023 - 2024 年との比較は以下のようになりました。

       前年との気温比較

比較すると、2023-2024年は全体的に暖かく2024-2025年は例年ぐらいの気温推移だったのではないかと思います。

今回は彼らがどの程度で活動を停止するか、という点を気にしていましたが、アルマジロトカゲと同じく、15.0℃を切ってくれば行動は停止する感触でした。

またどの程度の気温まで耐えるか、というところですが、昨年よりも冷えた 2025/02/06(木)実績ですと、9.0℃ということになりました。


それぞれの個体の体重と状態の経過

オス、メスどちらも開始時から終了時までで1.5g減少ということになりました。
オスは前年の繁殖時と同様(前年38.5g)、メスは少し減らした状態(前年45.0g→今年41.5g)で開始しました。
今飼育中の個体たちに関しては、体形的にはこの開始時ぐらいの体重がバランスの取れた体形と感じています。
デプレッサイワトカゲに限った話ではありませんが、個体差、特にデプレッサイワトカゲの場合はシャークベイとして市場に出たものを筆頭に、地域差でも体形に差が出るように思いますので、この体重を推奨するものではありません。

オス

     2024/12/01(日)のオス個体の体重
     2024/12/15(日)のオス個体の体重
     2025/02/09(日)のオス個体の体重

メス

     2024/12/01(日)のメス個体の体重
     2024/12/15(日)のメス個体の体重
     2025/02/09(日)のメス個体の体重

クーリング(冬眠)の状態

定めた期間は一切の給餌を行いません。
中2日で霧吹きで水を撒き、毎週生存確認を行っています。
昨年と同様ですが、一度冬眠の状態に入ると水もほとんど摂っていないように見えました。

  心配なので身を隠すものを取り払って霧吹き
普段は隠れているところを見つかるとチョロQのごとくダッシュするものの…

普段と明確に変わる点として、四肢が縮こまり、身体を丸めている状態なのが分かります。
冷え切っているせいでこの状態で触れても反応がほとんど無くなるので、なんとなく冬眠の状態に入った、ということがこのあたりの身体の状態を見ると分かるのではないでしょうか。

手に取っても姿勢が変わらず、身体の冷たさと動きのにぶさが分かる

クーリング(冬眠)終了後

我が家ではクーリング開始時と同じく、段階的に日照時間や気温をコントロールすることはしていません。
その日から人間が快適に暮らせる程度の室温の部屋に戻します。
日照時間は平時の飼育から日の出、日の入りと同じ設定になっています。
先代もそうですが、購入時から夜間は一貫して無加温です。

2025年02月10日から2025年03月15日の気温、湿度の推移

クーリング(冬眠)終了後の気温に関しては平均気温は17.82℃、平均湿度は36.85%でした。

スポット気温、平時はだいたい40℃前後になるように設定にしますが、少し高めにしました

スポットに関しては平時より少し高めの43.0℃に設定しました。
戻した翌日の 02/10(月) にシルクワーム、クロコオロギを置いておきましたが、
シルクワーム→クロコオロギの順に平らげていきました。
少量のマルベリーCa + ごく少量のミネラオール + ウォンバルーレプタイルサプリメントを混ぜた粉末の上にこれらの活餌を置き、食べるついでに舐めてくれたら、という状態で設置しています。

  オスもメスも食欲があり、ひと安心できる瞬間

シルクワームはこの初回のみで、以降の給餌は週に2回、クロコオロギとレオパドライを置いていますが、前年同様、昆虫食が主体です。
今日に至るまで、オスメスともに食欲旺盛で元気です。


交尾の様子

2025年02月28日 12:45

冬眠明けの19日後、オスがメスに交尾を迫る様子が確認出来ました。
この日はメスが受け入れる気がなく、足場も悪い状態で、交尾成立とはなりませんでした。
前年は冬眠明け16日後で交尾したことを考えると、少しゆっくりした立ち上がりとなりました。

2025年02月28日の気温と湿度の推移(赤線が該当の時間)

2025年03月05日 14:59

冬眠明けの24日後、交尾の成立を確認できました。
クーリングを終えてから2週間から3週間前後が交尾期間となることは予測していました。
一方向だけだと意外と見づらいことがあることから、いくつかのアングルで撮影しています。

   2025年03月05日 14:59 ケージ上部から
   2025年03月05日 同時間帯ケージ側部から
2025年03月05日の気温と湿度の推移(赤線が該当の時間)

2025年02月28日は足場が不安定な状態だったので少しレイアウトを変えていますが、
メスがオスを安定した足場に引っ張って移動してくれています。
また、メスが怒る様子もなく、嚙まれても反撃する素振りは見せずに受け入れている様子が映像からも分かるかと思います。

2025年03月10日 09:03

冬眠明けの29日後、交尾をしていますが入っていないことがありました。

     うまく入っていないような…
2025年03月10日の気温と湿度の推移(赤線が該当の時間)

2025年はしっかりと交尾成立を確認できたのは1回でした。
割と複数回交尾を行うことと、夜間帯に交尾することは無いと思うので、1回というのは少し不安が残る結果です。


ケージのレイアウト変更

遅ればせながら、飼育環境を記載しておきます。

  • ケージ : パンテオン6035
  • 紫外線ライト : ズーメッド Reptisun Terrarium Hood 14inch + T5HO 10.0UVB 15W
  • 保温球 : ゼンスイ マイクロン + マイクロサン28W
  • 補助灯 : コトブキ フラットLED SS 600
  • 床材 : ズーメッド REPTI BARK

交尾までは以下の画像の通りです。
また前述していますが、スポット(画面中央の煌々とした場所)は43.0℃前後に設定しています。

あまり複雑にせず、事故防止を第一に

交尾が確認できたので、メスが落ち着ける姿勢が取れそうなレイアウトに変更しました。

レイアウトによる事故防止を第一に、スポットの石以外は軽いのものを選択

落ち着ける姿勢はコチラでも書いていますが、メスが頭を高い位置に、尾を低い位置に持ってこられるようにしたいためです。
いくつか高低差が作れる石を配置、コルクの高さも少し調整しました。

手前の個体がメス、これは不安定なのでやめてほしい…

2025年04月06日時点ではまだ分かりやすい行動として現れてはいませんが、日々状態を見ながら必要であればメスが過ごしやすいような環境に変えていく必要があるかなと思います。

とはいえ、それ以外は食べる餌をしっかり与えられるかと、スポットの温度ぐらいしかこちらからアプローチできる要素はありません。

この個体ひとつ取ってもまだまだ分かっていないことが多いので、こうして繁殖を通してトカゲのことを知っていけるのが面白いところです。


まとめ

2025年もうまくクーリングを終えて、無事に交尾を確認できました。

前年実績ですと、2024年02月20日に1回目の交尾、2024年05月21日(中潮)に出産と91日で産まれていますので、3か月程度は経過を見守っていく必要があります。

オスがしっかりとやる気がある個体であることが特に恵まれているな、と感じます。

先代はメスに拒否されると諦めてしまっていたので、このあたりの個体差や相性があっての飼育やクーリングである、ということを否応にでも分からさせられてしまいます。
購入時は雌雄のアテもさることながら(雌雄間違いはあってほしくはないのですが)、相性は当然分からない、というのが繁殖における最大のネックと言えます。

自身はたまたまやる気のあるペアを入手できたので、引き続き、分かったことは記録として残していきたいと思います。